トップメッセージ
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本田泰人
“鹿島はかけがえのない存在でした”
ユニフォームを脱いだ粘りのボランチ
本田泰人
Jリーグ最多の9冠を持つ鹿島アントラーズのキャプテン、そして3度の日本代表を歴任し、粘りのボランチとして、その地位を揺るぎないものとしてきた本田泰人さん。昨年ついにユニフォーム脱いだ本田さんは、世界を見てきた人間として「日本のサッカーを強くする」ために、解説者、指導者として第2のサッカー人生を歩みはじめた。
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昨年引退を決めて、ついに愛着ある鹿島アントラーズのユニフォームを脱がれた本田さん。もう気持ちの整理はつきましたか?
引退を決めたときから今まで、悔いはまったくありません。でも潔くやめたことがカッコいいかどうかなんて、今でも分からないというのが、正直なところですね。鹿島というチームは「愛着」だけでは説明できないほど、僕にとってかけがえのない存在だと思います。もちろん引退を表明する前、自分が違う色のユニフォームを着て、他チームのロッカールームやチームメイトといるところもシミュレーションしてみたのですが、ダメでした。それほど、鹿島と僕、そして6番キャプテンマークは一体化していたのです。
長年1つのチームでプレーされたことから思い出、そして思い入れもあるかと思いますが。
僕がまだ本田技研の選手だったころ、鹿島の前身である住友金属にいた、スーパースター・ジーコと対戦した経験が、入団の決め手となりました。でも鹿島へ行けば、「会社員」ではなくなるし、結果を出せなければそこで終わり。親にもずいぶん心配かけましたが、『プロならサッカーだけで食べていくのはあたりまえだ!』と決断したのです。

現役時代うれしかった思い出は、やはりチームとして9冠を取れたこと、個人的には日本代表に選ばれたことですね。自分がボランチだったので、今でもチームのMFは気になりますよ。FWの柳沢(敦)は別として、本山(雅志)、小笠原(満男)、青木(剛)、増田(誓志)など、仲のよい選手はすべてMFです。 今後期待のできる若手といえば、DFの内田篤人。彼はスピードや技術を兼ね備えていて、チャンスメークのできる選手です。それに加えて、いつも謙虚な気持ちを忘れない。こういう選手は伸びますよ。
本田泰人
現役時代と現在で、生活パターンの違いに戸惑われることはないでしょうか?
そうですね。むしろ気持ちの整理はできても、まだ体の方が慣れてくれないですよ。たとえば現役のころは、練習もゲームもとにかく走って走って・・・。特にヴェルディ時代のビスマルクをマークしているときなどは、サッカーをやっているような気がしませんでしたからね。彼は僕に、わざわざ勝負を挑みに来ていたんです。だから僕も、彼をマークすること自体が目的となる瞬間すらありました。後年ビスマルクが鹿島のチームメイトとして現れたとき、うれしさのあまり言葉より何より、握手、そしてハグでしたね。僕はもう、彼を試合中に(サッカーそのものを忘れるほど)マークしなくて良いのだと思ったし、彼も僕を敵にまわさなくて良いと、お互い感じ入るところがありましたから。
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